42 角正之、和田敦子:SUMISHソロダンス「動態レンマ学」Vol(1)〜Vol(2)〜Vol(3)

【フラッガー】角正之、和田敦子(風の舞塾/TonPlacer)
【時】(1)11月3日(木祝)15:00開演、終演後アフタートーク
(2)11月6日(日)15:00開演、終演後アフタートーク
(3)11月13日(日)15:00開演、終演後アフタートーク
【場】風の舞塾(Theater TonPlacer) 神戸市東灘区魚崎北町1-13-3(阪神青木駅下車山側を西へ(徒歩7分)12間道路六五寿司西隣/阪急岡本駅下車南徒歩、12間道路南下する(15分)六五寿司/JR摂津本山南口下車、12間道路南下する(13分))
【問】風の舞塾 塾長 角 正之 TEL:078-452-6238/MAIL:sumish@kazemai.com
【参】参加費 2000円、定員 10人(要予約先着順)、ご予約は電話かメールにて。
https://www.facebook.com/tonplacer


◎三つの動態を表わす音と動きの即興的ラボ、デュオ対話者は音と動きの共時性創造場(ZOYD.BA)に登場します。10名の鑑賞者は同時に「現在という場」の再創造に関与し意識する共犯的身体を経験することになるでしょう。コンテンポラリーダンス界の鬼才と評される角正之(SUMISH)がソロダンス三態を踊ります。自らのカラダに問う「息を立てる凝縮体」に、音源と対話する他者を一人づつゲストに迎え、環境映像効果にATONが参加します。


[柴山ルポ]
1996年に建てられた、自宅と一続きとなっている角さんの稽古場に入ると、自然と私の身体も動き出した。ここは日常と地続きでダンスが生まれる場所、いわばアトリエである。こだわりのコーヒーを頂き、角さんの言葉を聴く。今年で75歳となる角さんは、昔ながらの技芸における師弟制度を知る最後の世代であり、ステージアートの変遷を目にした証人だ。阪神淡路大震災を経験してからは、次第に自身の興味は完成しないものへと移りゆく。60歳頃までは、差異を鋭く豪華に見せることこそが表現であり、そのためのアイデアが必要だと考えていた。だが65歳になったとき「答えはすでにある」ということに気がついたと、角さんは語る。赤ん坊が生まれるのと同じ。いつか死ぬから何もしないとも言えるし、死ぬのだから何をやってもいいとも言える。それは自分の身体史におけるパラダイムシフトである。仏教でいうところの「放下」や「ありのままに」ということだと。正直に言えば、今まさに生成されていく他者の動きをどのように見ればよいのか、私の中には疑問があった。しかし角さんの言葉を借りれば、そのやり方はすでにここにあるのだ。誰もがすでに同じものを持っているという点で、身体表現を見る体験は、物質的作品の鑑賞と大きく異なる。目の前で繰り広げられる、動態ダンス、ホモモーションと名付けられた動きに共振することで、私の身体史が少しずつ変わり始めるのかもしれない。

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