【フラッガー】伊東幸司(いとう工房)
【時】11月1(水)~5日(日)11:00〜20:00
【場】いとう工房 神戸市中央区下山手通3-11-18
【参】参加無料・予約不要

——
「さいはての天文台街」これはいとう工房の伊東幸司さんがつくっている動くジオラマのタイトルだ。制作に1年半以上かけており、その間の休日は正月3日間と2年分のお盆休み1日ずつの5日間だけ。実に4,000時間以上だ。14年目を迎える工房で得てきた全てをつぎ込んだ集大成と呼べる作品である。石粉粘土でつくったレンガ25,000粒以上、カム総数81ヶ所(81ヶ所が可動する)、使っている小さな電球の数はもはや不明なのだそう。「石粉粘土製のレンガを積んでいく工程は半年かかった。制作がすすんでいるのか分かりづらい作業で、まさに忍耐でした。でも、自分の好きなことをやっているから全然しんどくないんです。11月の神戸文化祭の時には完成しているでしょう」穏やかに語る伊東さん。自分の名刺がわりとしてこの作品は売らない(値段が付けられない)そうです。「造形作家として過去に様々な素材に手を出してきたことが集約しつつあって、この先10年の方向性が見えた。最近は動くジオラマにストーリーをつけて自分の中の空想世界を表現しています。立体物語をつくっていこうと実験していて、ストーリーの朗読も取り入れるかも知れません。海外に向けてプレゼンもしていきたい。」ほとんど手作業でつくられたこの作品は、文章で説明するのが難しい。ぜひ実際に工房を訪れて体験してもらいたい。(築山ルポ)