【フラッガー】峪田彩(日興堂)
【時】11月5日(日)
(1)10:00〜/(2)11:00〜/(3)13:00〜/(4)14:00〜/(5)15:00〜
【場】日興堂3階 茶室「千寿軒」 神戸市兵庫区水木道り8-3-14(駐車場2台スペース有)
【参】参加費:500円。各席5名*予約優先制(見学のみの方は予約不要)1階店舗はどなたさまでもご自由に。

今回のお茶会は夏目漱石の小説「草枕」の1場面にも登場する流派に倣ったお茶会です。煎茶の中のまさにエスプレッソと言われる流派。1滴1滴に凝縮されたお煎茶の味と1日だけのお席のしつらえに風流を感じてもらえればと思います。
亭主:日興堂  協力:上村亮太

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日興堂は大開駅から徒歩数分の静かな住宅街にあります。50年以上の歴史があり、もとは茶葉をお店に卸すお茶屋さんだったということですが、現在はお茶道具を中心に骨董や古美術などを扱い、茶道具の交換会やオークションも行うギャラリーとして営業をされています。
日興堂の建物の3階にはお茶室があり、お茶の教室として使われたり、年始の初釜など茶会が催されることもあるそうです。教室には、昔からのお稽古事としてはもちろん、忙しい毎日の中に心を落ち着かせるひと時を取り入れたいと、通い始める方もいらっしゃるということでした。案内していただいた茶室に足を踏み入れると、最初はそんな空間がそこにあることの不思議さに小さな驚きを覚えましたが、慣れていくうちに、なぜかすっと心が静まっていくのが感じられました。
ご自身も彫刻を制作してこられたフラッガーの峪田彩さんは、現在は日興堂のもう一つの拠点であるサコダアートギャラリーのギャラリストとしても活躍しておられます。日興堂で古いものを扱いつつ、アートギャラリーのほうでは現代の作家の作品も扱い、その仕事を通じて「古いものと新しいものの中に同時に存在しているものが見えてくる」のだそうです。「古いものと新しいものは分断して考えがちだけれど、現代の生活や美術の中に、気づかないうちにおのずと古いものから影響を受けている美意識や感覚がある」と峪田さん。「私の立場だから見えてくるものでもあるし、そこに目を留めるような企画もできるかなと感じていて…」と話してくださいました。
まさにそのような企画でしょうか。文化祭期間中の煎茶のお茶会では、美術家の上村亮太さんがお茶室のしつらえ(空間演出のようなもの)をされるとのこと。どんなものになるのか、これは今からとてもたのしみです。(有吉ルポ)