【フラッガー】島村薫(絵描き)
【時】11月1日(水)、3日(金祝)
【参】見かけたら是非ご参加ください。

神戸文化祭フラッガーさんのところを転々とめぐりながら、そこにいらっしゃる方に点々を描いてもらったり、自分で点々とドローイングをしたり、点々を繋げたりします。

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高校生の頃からずっと、絵を描き続けてきたという島村さん。「絵を描く動機と楽しいと思うポイント」について、思索を深めたエピソードを伺った。
島村さんは真面目で、いい加減なことができないように見える。そういう人だからこそ「絵を描く」という曖昧な何かとの格闘を、ずっと続けてこられたのだろう。だがそのために、苦しんだ時期もあったそうだ。社会に出てから通信制の美術大学大学院に入学した島村さん。2年生のとき、今までずっと好きだったのに、急に絵を描くのが嫌になってしまった。体裁を気にして、自分が本当にしたいこと、したくないことに正直になれなくなっていたのかもしれないと、島村さんは振り返る。そんな時に出会った同級生たちは、年齢も来歴も、絵に向かう動機もバラバラで、面白かった。あらためて自分は何がしたいのか、考え抜いた末に見つけたのが「描く行為を重ねていくことで完成に近づくことの楽しさ」だった。それは無意識に続けてきたことの輪郭を少しだけなぞったような、新たな発見だった。
苦しい時期を過ぎて、今好きだと思うことは今やろうという心持ちになれたと言う島村さん。そしてこの先変わっていくことも受け入れる。絵を描いていると、とかく自分の内側にこもりがちになる。人と繋がりながら絵を描く今回の試みは、他人という新たな視点を引き入れようというチャレンジだ。なぜ絵を描くのか、それは人がなぜ生きるのかと考えることにも似ている。その旅路を自分の目と手で開いていこうという決心が見えた。(柴山ルポ)