【フラッガー】小野サボコ(アーティスト)
【時】11月3日(金祝) 13:00~16:00頃
【場】小野サボコアトリエ 灘区新在家南町5-3-9 朝日ビルC号館203
【参】参加費:1,000円。ご予約は小野サボコ(picnic88h5@gmail.com/090-9702-8898)まで。定員3名さまです。

水道管用のアルミテープに、線を刻んで文様を作り、それをカンバッジにします。持ち物はHBくらいの鉛筆。

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初夏の蒸し暑い午後。小野サボコさんのアトリエにお伺いしました。強い陽射しの中、川沿いのアパートや工場のあたり、サボコさんのアトリエを探してウロウロしていると、アパートの影からサボコさんが現れて迎えに来てくれました。そして、アトリエに着いてドアを開けると、涼しい風がサッーと流れて来て、サボコさんの創作の世界に招かれたような感じがしたのです。アトリエ室内には、加工をしている途中のアルミの板や、アルミのオブジェが沢山並べられていました。
サボコさんが、アルミの作品を作りはじめたのは2007年頃の事だそうです。何気なく水道管用のアルミテープに文様のようなものを描いてみたところ、描いた線が凹んで刻印したような感じになりました。それで試しにアルミの缶バッヂを作ってみたのですが、それが、その後のアルミを使った制作の始まりになったそうです。もともと、アニミズムに興味があったサボコさんは、土俗的な文様のような物を描くのが好きだったのですが、それをアルミ板やアルミテープという素材に刻印したり、彫ったりすることによって、どんどん、その行為にのめり込んでいく事になりました。この、自分に合った制作方法を見つける事が出来て、ほんとうに良かったとサボコさんは語ってくれました。金槌でアルミ板を叩いて凸凹の形を作ったり成形したり、千枚通しや、ニードル、銅版画用のルーレットなど、いろいろな道具を使って文様を描いて、刻んでいきます。いつも温和で、のんびりしている感じのサボコさんですが、きっと、尖った目で、休む間もなく刻み続けているのかも知れないですね。
今後の制作の展望としては、いつか、「神殿」のようなものを作ってみたいそうです。「文様」や「形」が生み出すエネルギー。そして、そのエネルギーがあふれている場所。それは、いったい、どんな場所になるのだろうかなあ、と、いろいろ想像しながら、川沿いの道を、ゆっくりと歩いて帰りました。(上村ルポ)