【フラッガー】奥村千織(1003)
【時】11月1日(水)〜5日(日)12:00〜20:00
【場】1003 神戸市中央区元町通3-3-2 IMAGAWA BLDG.2F

期間中、上村亮太さんの「背表紙の拍子」展を開催します。
本棚に並ぶたくさんの本の中から未知の1冊を手に取るとき、人は背表紙の何に惹かれるのでしょうか。
本全体から見れば、背表紙というのは小さな部分ですが、そこにどんな可能性があるのか、いろいろな背表紙をつくって探る試みです。本棚の、架空の背表紙を見つけていただいて、その本のストーリーや書評など、ゆっくりコーヒーでも飲みながら、空想していただけたらと思います。
いつもの1003の本棚にあらわれた背表紙たちが、いつもと違うリズムをつくってお待ちしています。

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南京町の西、元町商店街の一筋南、喧騒から離れた通りの小さなビルの2階に1003(センサン)はあります。2015年9月に開店した1003の店主は奥村千織さん。大学図書館の司書をしていた奥村さんは、一箱古本市への出店をきっかけに、本を直接人に手渡す魅力にはまったのだそうです。その後自分でも一箱古本市を主催したりしながら、「何かやりたい」との思いが募り、ずっと続けられる仕事を、と本屋を開く決心をされたとのこと。細長い店内は、構造用合板を使って作り上げた本棚に囲まれ、そこに、小説、思想、音楽、美術、旅、食といったジャンルの古本、新刊書や雑誌、リトルプレスを交えた本たちが並んでいます。シンボル的に店奥に鎮座する古い大型のステレオからは、ご主人担当のBGMが。コーヒーやビールも注文できて、ちょうどカウンターのようになっている窓越しに、飲み物片手に外の風を感じながら気になる一冊を読みふけってみたり…と、この場所ならではの過ごし方ができます。こんな本屋は神戸中を探してもそうそうないですよ。センスのいい店の雰囲気に包まれ、大きな目でにこにこ話を聞いてくれる奥村さんについつい読んだ本の話をして、取材で訪れたはずの自分がしっかり喋って楽しく幸せな気分になり、一冊本を買って帰ってきてしまいました。
店では気になるイベントをちょくちょくやっているし、毎月のように各地のイベントへ出店されていて、小柄な身体によくぞそんなバイタリティが、といつも感心しているのですが、ご本人は意外とのんびりした様子。お客さんとカウンター越しに話しているうちにイベントの企画が実現していったりするそうで、文化祭での「背表紙の拍子」展も実はそんなふうに生まれたそうです。あぁ、どんなだか楽しみだなぁ…。今からとても待ち遠しいです。(有吉ルポ)