(57)「ようこそ人間たち2」吉村宗浩展 /みる

【フラッガー】吉村宗浩(画家)

【時】11月3日(土祝)〜30日(金)10:00〜19:00/最終日は17時まで 月曜休館

【場】KOBE STUDIO Y3 4Fギャラリー 神戸市中央区山本通3-19-8海外移住と文化の交流センター4F/11月4日(日)14:00〜 トークショーあり。

 

児玉ルポ

吉村さんの絵のなかに見えるのは、風景や建物や人物や、ごくまれにバナナ(しかもリラックスしている)。風景は外国のようだけど分譲住宅や空き地やセイタカアワダチソウも描かれていて、日本かもしれないとも思う。人物の中にはよく見かける人もいる。村上春樹の羊男のように。なかでもパロマー氏は、駆け足をしたり足がつったり子供水泳教室の先生をしたりバッターボックスで敬遠されたり催眠術をかけられたり燃えてしまったりしているが、それが氏の普通の日常であるかのように平然としている。絵を観ていると、私の日常は何なのか、と不思議な気持ちになってくる。吉村さんの絵を初めて観たのは3年前。その日の日記に「「舞子ふとん店の憂鬱」とお葬式の絵」と書いてある(「舞子ふとん店の憂鬱」は絵のタイトルだ)。その日はライブペインティングもあって吉村さんは「筆忘れちゃって…」と言いながらナイフを持つとしばらくして絵のなかのコンビニが消えた。それから家の角度が変わるまでを見ていたが、同じくその日の日記には「なんだかすごいものを見てしまった」とある。今回の展覧会のタイトルは「ようこそ人間たち2」。吉村さんの考える「人間」とは。11月4日(日)にはトークショーもあって自作や美術についてお話しされる予定。ぜひ展覧会場まで。