【フラッガー】田中沙耶(画家)
【時】11月1日(水)15:00〜19:00、4日(土)11:00〜15:00
【場】アトリエクルール絵画教室 神戸市灘区桜口町3丁目3-28
【参】参加無料・予約不要

各自一つ以上のマスキングテープを持ち寄り、教室の壁に大きな絵を描く。気軽にぺたっとして行ってください。見学のみでももちろん大丈夫です。自分の好きなマスキングテープを持参の上、ご参加下さい!

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絵が描かれたガラス戸の中には、白い空間と小さな机。六甲で「アトリエクルール絵画教室」を主宰する田中さんは、信念を持ってこの教室を続けている。大学では絵画を学び、進学した教育大学の大学院で美術教育について学んだ田中さんは、今の社会の美術教育におけるさまざまな現状を知り、自分で始められることで状況を変えたいとの思いで絵画教室を開いた。例えば、子どもたちに画一的な方法で絵を描かせる指導や、大人が教えてしまう構図など、自由な表現とはかけはなれたことが教育現場で起こることがある。この教室では、そうした枠組みや思い込みをなくしてあげたい。ここに来ることをきっかけにして、今までになかったものを作り出してほしい。そうした思いで、田中さんは生徒に向かっている。生徒は幼稚園児から小・中学生、受験生、大人までと幅広い。教室の活動はかなり自由度が高く、各自が自主的にやりたいことや課題に取り組むことができる。訪問した日は幼稚園児と小学生の女の子たちが、楽しく熱中して工作と絵に取り組んでいた。田中さんは上手に作る方法を教えることはなく、ただひとつ大切なこと、「じっくりていねいに絵を描くこと」を伝えている。それは、本当はとても難しくて、大人になった今さまざまなことを理由に、ふと忘れそうになってしまうような、大切なことだ。この教室で集中するひととき、物を作り、絵を描くひたむきな自分に出会うことができる。田中さんはそのための空間を、静かに用意してくれている。(柴山ルポ)